夏の魔法
Q6.ディズニープリンセスと恋に落ちるなら?
アリエル!「マーメイド」って曲を歌っているから(with 8月号)
この回答を見た瞬間、胸がキューーーン!として、それと同時に笑みが溢れて、しあわせな気持ちでいっぱいになった。たくさんいるプリンセスのなかからアリエルを選んでくれたことも、その理由が自身のソロ曲である「Mermaid」なのも全てが嬉しくてしょうがなかった。
去年の夏、聡くんにとって10代最後の夏に披露されたMermaid。ザーーッという波の音、モニターに映る砂浜に書かれたMermaidの文字、イントロが流れた瞬間、わたしたちは夏の魔法にかかる。太陽よりきらめいた笑顔を振りまく聡くんを見て、号泣しながら絶対忘れるもんか…!と必死で目に焼き付けた。
この曲自体は明るくてポップでかわいくてまさに夏らしい、爽やかな曲。泣く要素なんて一つもないのに涙がぶわあっと溢れて止まらなかった。涙のワケは一年経った今でも上手く言葉に表すことは出来ないけれど、寂しいという感情が大きかったのかもしれない。
だって19歳の夏は、あの日、あの時間、あの瞬間しかなかったのだから。
わたしはMermaidに特別な思い入れがある。
公演が始まる前「これから先、Mermaidを披露することはあっても、TDCであの場所で19歳の松島くんが歌って踊ってくれるのはこの夏だけなんだよ」という言葉をかけてもらって、その言葉がずっと頭のなかにあって胸が締め付けられたみたいに苦しくなった。
19歳から20歳になる、たったそれだけのこと。
それだけのことなのに、わたしは聡くんが大人になってしまうのが怖かった。大人になってしまったら変わってしまうのではないかと思っていたから。いつでもどうしようもなく不安だった。ずっと大人にならないでいてほしかった。
でもそんなわたしの心配をよそに、聡くんは20歳になってもいつものようにみんなの真ん中で無邪気に笑っていてくれた。
だけど、ひとつだけ大人になったと思う瞬間があった。
「絶対僕が幸せにするから 僕の手をとって」
去年の夏、両手をぎゅうっと握りながらかわいくあざとくおねだりしていた聡くんが、今年の春は少し苦しそうな表情で目を瞑りながら永遠の恋を願うように歌い上げていた。聡くん自身が意識しているのかしていないのかはさておき、わたしはこの聡くんを見た瞬間、19歳のMermaidとは違う、と思った。あの夏とは違う、大人になったと思った。それがちょっぴり寂しくて、でもその寂しさ以上に好きという気持ちがドバーッと溢れた。ずっと変わってしまうことを怖れていたけれど、わたしはちゃんと好きだった。
もしも「Mermaid」という曲がなかったらきっと他のプリンセスを選んでいただろうしアリエルを選ぶことはなかったかもしれない。もちろんこの曲があってもアリエルを選ばないという選択肢だってあったはずで。それでもMermaidを歌っているからという理由でアリエルを選んでくれた聡くんがどうしようもないくらい好きで、わたしはいつまでもこのひとから離れられないんだろうなあと思う。
マーメイド=ファンだと話してくれていた聡くんが恋に落ちるなら?という質問に対してアリエルを選んでくれたことは間接的にファンと恋に落ちると言っているみたいだとツイートしたけれど、聡くんがそういうことを意図していなくても、プリンセスを思い浮かべたときにアリエルがパッと思い浮かんでくれたことが全てなんじゃないかなあと思う。パラパラとページをめくって一番最初にこの質問の答えを確認したとき、思わず頰が緩んで文字通りにんまりとしてしまって、それくらいアリエルを選んでくれたことがわたしの中で特別だった。
もうすぐサマパラのDVDが発売されるというこのタイミングでこの質問にこの回答。これが偶然なのか、運命なのか分からないけれど。またMermaidに想いを馳せる夏がやってくる。
砂浜に書かれた二文字が波に消されてしまったとしても、その想いが水の泡になって消えてしまったとしても、わたしは必ずあなたの手をとるよ。